2019 第42回 鈴鹿8時間耐久ロードレース 撮影・文: 原 富治雄

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令和元年、第42回を迎えた鈴鹿8時間耐久ロードレースが、いつものように午前11時30分に始まった。8時間後の大波乱を誰一人として予想しないまま。

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全日本ロードレースの好調さをそのまま持ち混んだ高橋巧。乗れていた。

鈴鹿8時間耐久ロードレースは、私にとって特別なレースだと言える。今でも、必ず撮影に行く数少ない2輪のレースの一つなのである。

その、鈴鹿8時間耐久ロードレース、今年42回目を迎えた。初回の1978年当時、耐久レースの認知度が少ない為か、参加したマシンは、耐久レーサーと言うよりスプリントレースに近い仕様のものが多かったように思う。優勝したヨシムラのマシンはアップハンドルのUSスーパーバイク仕様で、急ごしらえのヘッドライトを装着、当時のラップタイムはふたつのシケインがなかったにもかかわらず15秒も遅かった。また、エントリー側からは、今となっては最大の魅力になっている、8時間と言うレース時間の長さにも不満が続出。さらには、ヘッドライトを装着しても効果はたかがしれている。1時間少々の夜間走行の為にレーサーに重い電装部品の装着を義務付けるのは問題があるのではないかという意見も出た。しかし、この問題は暗闇の中で迎えるチェッカーのドラマ性も有り2年目からはいっさい出なくなったと聞く。

その後も、年ごとに8耐には耐久レースゆえの数々のドラマがあった。今も、8耐の最大の魅力は、真夏の強い陽が沈み、サーキットが暗闇に包まれる、そんな時間に多く生まれる。闇の中を昼間と変わらぬタイムで走行するライダー達。8時間と言う長丁場、最後の数分で何かが起きる事もある中、ライダーたちはひたむきに最後のチェッカーを目指す。8耐はそんなライダーたちが作り出す筋書きのない壮大なドラマのような気がする。

今年もカメラを持ち、午前11時30分のスタートを迎えた。私は、8耐を撮るカメラマンの中ではいろいろな場所での撮影が少ない方だと思う。ここだと感じたところでは光やシチュエーションを待ち、撮り切れたという実感を得るまで一時間近く同じ場所にいるからだ。それがまったく苦にならない。迷いもない。集中力が変わることなく持続していく。

そうしているうちにも、刻一刻と時間が経過していき気が付くと夕暮れを迎えていた。ライダー、メカニック、スタッフ、そして観客席から応援する人々。それぞれが8時間耐久レースを共に戦ってくれているように思えてならない。その一員として自分がいることを感じる。だからなのだろうか、スタート時とおなじテンションでいながらもアドレナリンが増しているのが分かる。この感覚は毎年変わらない。

そんな鈴鹿の一夏に一回の一体感がたまらなく好きだ。

撮影・文:原 富治雄

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今年も熱い8耐が終わった。レッドフラッグでのレース終了と順位判定の混乱という苦いドラマの幕引きではあったが。

 

 

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優勝最有力候補だったレッドブルホンダ。清成龍一、高橋巧、ステファン・ブラドル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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HondaCBR1000RRとBRIDGESTONEのコンビネーションは、今年の8耐でも最強のコンビだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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予選のハプニングで3番手のポジションながら、レース直前まで、余裕すら漂わせていたレッドブルホンダ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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スタートの出遅れを容易に取り戻してレース序盤からトップをキープした高橋#33

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ブラドルはひたすら自らのスティントを手堅く走る切りよう最大の努力をはらっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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自らのスティントでは必ずトップに立ち続けた高橋。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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レースが200周を超えても2’07″台のペースを保ち続けてレースをリードした高橋だったが、4回目のスティントはあまりに過酷だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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3位に終わったレッドブルホンダ。高橋のやり切った感をたたえた表情が印象的だった。

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