Honda GRACE(グレイス)に乗ってみた

ホンダからの久々のコンパクトセダン、グレイス、5ナンバーサイズの綺麗なボディーにちょっと仕上がりの良い親切なインテリアや装備が特徴。また、1モーターでもEV発進可能なホンダ独自のハイブリッドシステム「SPORT HYBRID(スポーツ ハイブリッド)i-DCD」を搭載、ハイブリッドセダンNo.1となる34.4km/L(JC08モード)の低燃費とレスポンスに優れた力強い走りを両立している。加えて5ナンバーハイブリッドセダンとして初めてとなる4WD車もラインアップする。

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スタイリングの印象は、トータルデザインとして破綻していたり、みにくいところがなく、しっかりと作られていて立派に見える。キャラクターラインが、きちっとバランスの取れたアクセントラインになっていて、コンパクトセダンとして、スマートで優美な感じがあり、まさにグレイス(優美、思いやりの意)のネーミングに相応しい。

乗ってみると、ちょっと贅沢な、ほど良さがあり、もしリアシートに突然お客様を乗せることになっても、いいクルマだなと思わせることができる雰囲気がある。シート、そしてヘッドレストの出来上がりも良く、後席のくつろぎ感もいいし、センタータンクレイアウトによる、盛り上がりもよく処理されて、リヤのパッセンジャーも足を伸ばすゆとりが確保されている。ルーフはクーペ風のスポーティーなデザインにもかかわらず、乗り降りのアクセスが良いのも美点であり、後席の窓が全開にできるのも好ましい。

ハイブリッド車でありながら、室内の空間設計はうまくできており、後席はトランクスルー構造になっていて、ハッチバック的な使い方もできる工夫がなされているところも親切なつくりを感じることが出来る。

走らせて見ると、モーター走行からのエンジン始動の動きなどが感じられ、クルマを気持ち良く運転している感があり、さすがホンダ車として、ツウの方々には好ましく感じられるはずである。ここを静粛性の問題とみるかは乗る人の好みとしてもいいのではないだろうか。

7速DCTは、メリハリのある走りを実現している。本来エンジンと後輪はダイレクトにつながっているイメージはあるべきでだが、その基本通りの動きが小気味良い。エコモード、Sモードと試してみたが、エコモードでもストレスフリーに走れる。

特にこのクルマの美点は、まっすぐに走ること、ステアリングの穏やかなしっとり感であり、最近の電動パワーステアリング車にありがちな、ふらつきがまったく見られなかったことは特筆すべき点である。今回のグレイスでは、ホイールベースを長くして、トレールを確保するなど、かなり入念にチューニングされていることを感じるところでもある。

おすすめのユーザーは、たとえば高齢の家族をリアシートに乗せて連れ出したりすることなどが多い人、少し上品なおもてなしがこのクルマはできそうだ。

今、日本のクルマはモデルチェンジごとにサイズを拡大してきて、大きくなりすぎていると思っている人も多いはず。このグレイスのサイズ感、嫌みのない適度さではないだろうか。セダンが本来もっていなくてはならない上質さやちょとした贅沢感がわかる人におすすめの1台ではないだろうか。(布施 和宏)

なお、製品の詳細は http://www.honda.co.jp/GRACE/
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