Hondaは12月1日、5ナンバーサイズの新型ハイブリッドセダン、「GRACE(グレイス)」を発表、同日、発売が開始された。
GRACE(グレイス)とは、英語で「優美」、「思いやり」を意味し、セダンとして、大切な人と過ごす時間を包み込む存在でありたい。そうした想いがネーミングに込められている。
グレイスは「コンパクトセダンの革新」をコンセプトに、5ナンバーサイズの扱いやすさやコンパクトカーの優れた燃費性能と、アッパーミドルセダンのような広い室内や堂々としたスタイル、高い質感、しなやかな走りを融合した、新時代のコンパクトセダンとされる。
コンパクトセダンながら、ロングホイールベースで堂々としたスタイルの中に、Honda独創のパッケージングによりアコードハイブリッドに迫るリア席空間を実現。上質な乗り心地と静粛性があいまって、乗る人皆がくつろげる心地良いドライブを可能としたと言われる。
グレイスは、ハイブリッド専用車で、パワートレインには、1モーターシステムでありながらEV発進を可能にしたハイブリッドシステム「SPORT HYBRID(スポーツハイブリッド)i-DCD」を搭載し、ハイブリッドNo.1となる34.4km/L(JC08 モード)という低燃費と、レスポンスの良い力強い走りの両立が図られた。また、5ナンバーハイブリッドセダンとして初めてとなる4WD車もラインアップされている。
因みにグレードは、ベーシックのDX、快適装備をグレードアップされたLX、パドルシフトが追加されさらに快適装備も充実した3タイプが設定され、各々FFと4WD車が用意されている。エンジンは、1.5アトキンソンサイクルDOHC i-VTEC i-DCDのみで、トランスミッションは高出力モーター内蔵7速DCTと高出力モーター内蔵7速DCT+パドルシフトの2種類となる。
ところで、このグレイスは、フィットをベースに仕立てたコンパクトセダンである。と言ったらこのクルマに失礼であると、発表会を拝見させていただいて感じた。
1976年から、アコードサルーンをセダンとして発売してきたHondaにとって、現在の日本国内で使いやすい5ナンバーコンパクトセダンは何かと突き詰めて考えた結果がこのグレイス(優美、思いやりの意味)なのだ。
このところの小型車市場のボディー形状は,以前に比べてはるかに多彩になってきている。
ここで改めてこのセダンに注目すると、運転の楽しさやトランクの使い勝手、スタイリッシュなスタイリングなど、セダンならではの美点が間違いなく存在する。
今回は、全グレードがハイブリッドでありFFと4WDの設定となっていて、ハイブリッド車ならではの優れた燃費性能を、寒冷地や降雪地域でも享受できるようなった。
最高燃費34.4km/L、燃費対策としてハイブリッドを選択、高い走行性能をボディー剛性の向上、サスペンション、ステアリングシステムの見直し、ブレーキ周りも刷新し、快適装備と安全装備も充実させるという欲張りなクルマだ。
きっとステアリングを握ったら、久しぶりに小気味良い小型セダンに乗ったと言えるような期待をさせる。そんなHondaの決意がグレイスへの「コンパクトセダンの革新」という言葉に表れている。(布施 和宏)
全国メーカー希望小売価格は以下。
HYBRID DX FF ¥1,950,000(消費税込み) 4WD ¥2,144,400(消費税込み)
HYBRID LX FF ¥2,040,000(消費税込み) 4WD ¥2,293,800(消費税込み)
HYBRID LX FF ¥2,210,000(消費税込み) 4WD ¥2,409,800(消費税込み)