クルーザーモデルの定番となっているレブル250、500。この3月、これら2機種の兄貴分としてレブル1100が発売になりました。レブル250と500は、排気量も形式も異なるエンジン(単気筒、直列2気筒)をひとつのプラットフォームに搭載し、スタイルも限りなく近いものですが、プラットホームこそ違えレブル1100もそのスタイルを踏襲しています。開発テーマは「Sit back & Enjoy the ride」、よりゆったりと余裕のあるレブルを楽しむために生み出されました。
レブル1100のスタイリングは、レブルシリーズのスタイリングを創出したホンダ・アメリカのデザイン・スタジオで生まれました。スタイリングコンセプトはレブルシリーズのシンプル、ロー、カジュアルにシリアスと言うテーマが加えられています。 1082ccの排気量に見合った重厚感を漂わせ、外観部品には高品位な質感を感じる表面処理を施し、できうる限りのブラックアウトが徹底されています。またスポーツバイクを思わせる足回り部品を採用したことで エレガントでありながらもスポーティーさを兼ね備えています。そして車両は人が乗った状態でもバランスの取れた、人馬一体感のある、「見て」も、「見られて」も、クールなプロポーションを意識しています。
ライダーが乗車した状態でのプロポーションの良さと排気量に見合った重厚感を演出するために、ホイールベースを1,520mm、シート高を700mm、ステップは足の操作がしやすい中間的なポジションが採用されています。またステップ幅、ハンドル幅を最適化することで取り回しのよさと快適さ、そして威風堂々としながらもスマートな乗車姿勢を演出しています。フロントフォーク角(30°00’)はクルーザーらしいスタイリングを表現し、キャスター角(28°00’)とトレール量(110mm)を最適化することで、直進安定性とニュートラルなハンドリングを両立しています(スラント角2°00’)。またバンク角をクルーザーの中でも優位性のある35°確保することでスポーティーな走行も楽しめます。
レブル1100これまでのマニュアルトランスミッション仕様の他に、デュアルクラッチトランスミッション(DCT)を搭載した仕様があります。撮影・試乗車はこのDCT車です。走行状況に応じて適切なギアを自動的に選択してくれるDCTはホンダ独自の先進技術で、多くの大型機種に採用されています。クラッチレバーとチェンジペダルの一連の動作を自動化することで、ライダーは他の車体操作に集中することができ、安心感のある快適なファンライドをより確実に実現します。
レブル1100 DCTは走行状況や好みに応じてモード設定を選択できます。通勤や通学、週末の遠乗り、友人とのタンデム走行など、幅広いシチュエーションや路面状況、ライダーの熟練度に合わせてプリセット3モード、ユーザー設定1モードから選択出来ます。モード選択ではパワーフィール、トルクコントロール、エンジンブレーキの減速フィール、DCTのシフトタイミングなどを同時に変更することができ、オーナーは簡単な操作で、最適な走行フィールを生み出すことが可能です。
フレームはレブルシリーズの特徴的なスタイリングである、ライダーの股下のくびれ形状、シート後ろのループ形状を踏襲しながら、ヘッドパイプから後輪までを1本の強い線で繋ぐイメージとし、重厚感を表現しています。そしてシンプルでありながら有機的でスリークな骨格形状として、単体での美しさも追求されています。燃料タンクは幅広な形状で、容量は13Lです。
Photos : 原 富治雄 Report:古谷 重治
ホンダRebel 1100 主要諸元 | 【 】内はRebel 1100 Dual Clutch Transmission |
車名・型式 | ホンダ・8BL-SC83 |
全長×全幅×全高(mm) | 2240×850【830】×1115 |
軸距(mm) | 1,520 |
最低地上高(mm) | 120 |
シート高(mm) | 700 |
車両重量(kg) | 223【233】 |
乗車定員(人) | 2 |
最小回転半径(m) | 2.9 |
エンジン型式・エンジン種類 | SC83E・水冷4ストロークOHC4バルブ直列2気筒 |
総排気量(cm3) | 1,082 |
内径×行程(mm) | 92.0×81.4 |
圧縮比 | 10.1 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 64[87]/7,000 |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 98[10.0]/4,750 |
燃料消費率(km/L) 国土交通省届出値 定地燃費値(km/h) | 31.5(60)〈2名乗車時〉 |
燃料消費率(km/L) WMTCモード値 (クラス) | 18.7(クラス 3-2)〈1名乗車時〉 |
燃料供給装置形式 | 電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉 |
始動方式 | セルフ式 |
点火装置形式 | フルトランジスタ式バッテリー点火 |
潤滑方式 | 圧送飛沫併用式 |
燃料タンク容量(L) | 13 |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング式 |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン【電子式6段変速(DCT)】 |
変速比 | 1速 2.866 【2.562】 |
2速 | 2速 1.888 【1.761】 |
3速 | 3速 1.480 【1.375】 |
4速 | 4速 1.230 【1.133】 |
5速 | 5速 1.064 【0.972】 |
6速 | 6速 0.972 【0.882】 |
減速比(1次/2次) | 1.717/2.625 【1.863/2.625】 |
キャスター角(度)/トレール量(mm) | 28° 00′/110 |
タイヤ | 前 130/70B 18M/C 63H |
後 180/65B 16M/C 81H | |
ブレーキ形式 | 前 油圧式ディスク |
後 油圧式ディスク | |
懸架方式 | 前 テレスコピック式 |
後 スイングアーム式 | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
車体色 | ガンメタルブラックメタリック |
ボルドーレッドメタリック | |
メーカー希望小売価格(消費税込み) | 1,100,000円【1,210,000円】 |