昨年の東京モーターショー・ホンダブースで展示されてから、発売を望まれたCT125・ハンターカブが6月下旬から販売された。7月の中旬にはツインリンクもてぎで報道関係者を対象に、貸出、取材、撮影会が行われた。ツインリンクもてぎにはサーキット以外にも、自然を遊んで学ぶ施設がある。そのなかのひとつ、ハローウッズ・どんぐり広場の芝生にCT125が展示された。
カラーはグローイングレッド、マットフレスコブラウンの2種類。 当日のしっとりと濡れた芝生にグローイングレッドが生えている。そしてもう1色、マットフレスコブラウンにも冒険心をくすぐられる。
エンジンのスペックは空冷4ストロークOHC単気筒、排気量は124ccで最高出力は8.8ps/7,000rpm。電子制御による燃料噴射方式で、アクセル操作に気を遣うことなくいつでも望む回転域を得やすくなっている。技術向上による恩恵をとても感じる点だ。
通常エンジンは、セルモーターを回して始動するが、キックペダルも装備している。
ギアは、走行時は踏み込み式の4段リターン。自動遠心クラッチ付きのため、ハンドル左側にクラッチレバーはない。クラッチ操作せずに変速可能だ。停止時だけ、トップギアからニュートラルに踏み込んでシフトできるロータリー式だ。
ブレーキは、前後とも油圧ディスクブレーキ、フロントにはABSを装備している。
ガソリンと酸素の混合気はエンジンの動力源だが、CT125・ハンターカブは酸素を得るための空気吸気ダクトをリアキャリアに設けている。路面から高い場所に設置することによりホコリの吸入を低減している。水たまり等の影響も受けづらくなる。マフラーもアップにし、路面側からの干渉や衝突、水没を避けている。
エンジン下面とエキゾーストパイプを守るアンダーガードも大きな特徴だ。メインフレームから伸びるパイプがしっかりと支えている。
さらに魅力のひとつにガッチリとしたリアキャリアがある。大きな荷物やキャリアバック、箱などを括(くく)り付けられる。何を載せるか考えると夢が膨らむ。忘れられがちながらが(必要な時は)ひとを乗せることもできる。可倒式ピリオンステップを標準装備。
CT125・ハンターカブはヘッドライト、ウィンカーなど、すべての灯火器にLEDを採用し消費電力を抑えている。
撮影会場にはキャンプ用品展示による演出もあった。近づいてよく見ると、キャンプ用品コレクターをくすぐるHONDAロゴ入りの逸品も。これらのアイテムは今秋よりHonda Dreamより販売される予定だ。
ハンターカブのルーツ
取材・撮影会場近くの「森のキッチンどんぐり」前に歴代のハンターカブが展示されていた。写真は、1961年11月に発売記録のあるハンターカブC105H(現車は1963年式) 。このバイクこそハンターカブのルーツ。空冷4ストローク単気筒OHV、排気量54ccのエンジンを搭載し、最高出力は5.0ps/9,500rpm。登坂力を増すため後輪には外装2段式の大径ドリブンスプロケットを装備。変速は、停止後チェーン駒を継ぎ足して低速用大径スプロケにかけ直したそうだ。
さて、このCT125・ハンターカブ、私の知り合いにも購入者が2人いる。ひとりは月刊モーターサイクリスト元編集長の関谷さん。もうひとりが、このWeb Magazine Tractionsを主催する森さんだ。ふたりは、大のオフロード好き。モトクロッサーやトライアル車でハードランをこなすライダーだが、そんな本格派もこころを射止められたようだ。
撮影:原 富治雄、古谷重治 レポート:古谷重治
原 富治雄カメラマン撮影のCT125・ハンターカブの写真はWeb Magazine Tractions Instagramでも公開しています。よろしければこちらもチェックしてみてください。
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CT125 主要諸元 | ||
車名・型式 | ホンダ・2BJ-JA55 | |
全長(mm) | 1,960 | |
全幅(mm) | 805 | |
全高(mm) | 1,085 | |
軸距(mm) | 1,255 | |
最低地上高(mm) | 165 | |
シート高(mm) | 800 | |
車両重量(kg) | 120 | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃料消費率 | 国土交通省届出値: | 61.0(60)〈2名乗車時〉 |
(km/L) | 定地燃費値 | |
(km/h) | ||
WMTCモード値 | 67.2(クラス 1)〈1名乗車時〉 | |
(クラス) | ||
最小回転半径(m) | 1.9 | |
エンジン型式 | JA55E | |
エンジン種類 | 空冷4ストロークOHC単気筒 | |
総排気量(cm³) | 124 | |
内径×行程(mm) | 52.4 × 57.9 | |
圧縮比 | 9.3 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 6.5[8.8]/7,000 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 11[1.1]/4,500 | |
燃料供給装置形式 | 電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉 | |
始動方式 | セルフ式(キック式併設) | |
点火装置形式 | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑方式 | 圧送飛沫併用式 | |
燃料タンク容量(L) | 5.3 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング式 | |
変速機形式 | 常時噛合式4段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.5 |
2速 | 1.55 | |
3速 | 1.15 | |
4速 | 0.923 | |
減速比(1次/2次) | 3.350/2.785 | |
キャスター角(度) | 27°00´ | |
トレール量(mm) | 80 | |
タイヤ | 前 | 80/90-17M/C 44P |
後 | 80/90-17M/C 44P | |
ブレーキ形式 | 前/後 | 油圧式ディスク |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | バックボーン | |
カラー | グローイングレッド | |
マットフレスコブラウン | ||
メーカー希望小売価格(消費税込み) | 440,000円 | |
(消費税抜本体価格 400,000円) |