4月29日、東京サマーランドで、第3回目の開催となる、「モンキーミーティングin多摩」が、好天の下に開催された。
今回の「モンキーミーティングin多摩」には、全国から226台のモンキーが集合。初代モンキー(多摩テック仕様)から、最新の(クマモン仕様)まで、新旧のモンキーが大集合した。
もともと、モンキーはアメリカ市場向けに作られたレジャーモデルの元祖的存在で、初代が発売された当時は、
飛行機での移動が稀な時代、アメリカ行きの客船が出る、横浜大桟橋の免税店には、初代モンキーが飾られていた。モンキーはアメリカの子どもたちへの、クリスマスプレゼントとしても珍重されたが、やがて、大人のレジャーモデルとしてもポジションを確立してゆく。
日本での発売からは、独自の世界観を持つレジャーモデルとして、時代を超えた存在感でつねに人気を保ち続けて今日に至っている。
同時に、着実に進化を続け、現行のホンダ・JBH-AB27型では、エンジンに動力性能と環境性能に優れる、電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉を採用、100.0km/L(30km/h定地走行テスト値)を誇る仕様となり、今ではHondaの熊本製作所で生産されている。
さて、今回のモンキーミーティングには、昨年の178台を大きく上回る226台の参加があり、またエントリーせずにモンキー、またはCB72やCBX250RSなどのなつかしいマシンで会場に駆けつけているギャラリーも多数みられた。
参加者は40代から50歳代の方々が中心だが、10代から70代までの男女を問わず、モンキーファンならではの幅広い世代が集まった。
エントリーの要件は、モンキーユーザーまたは水平シリンダー搭載車。毎回参加の常連メンバーに加え、新規の参加者が多いのもこのイベントの特徴である。最も遠くからの参加は岩手県の18歳の青年で、トランスポーターと自走で半日以上をかけて駆けつけた。
エントリー車のカスタマイズの方向性は多岐にわたり、エンジンのDOHC化はもとより、L型ツインの100CCモデルにビルディング?したもの、またはフレームやスイングアームにも独創性やビジュアルにこだわった見事なマシンが揃って美しい仕上がりを見せていた。
モンキーにグロムのエンジンを載せたもの、またグロム自体でのカスタマイズも広がりを見せており、来年に向けて目が離せない。また、現行のモンキー達も多く見られ、モンキーユーザーも世代を超えて、環境性能にも大きな興味と関心をもっていることが見受けられた。
このイベントでは、集合してゼッケンを装着したのち、コンテスト投票の間には、Hondaの最新のバイクのモンキー(クマモン仕様)、グロム、クロスカブ、新型タクトなど6台の試乗車がHondaから用意され、会場内の特設コースでライディングすることが可能で、たくさんのライダーが楽しんでいた。
ミーティングでは、充実したお弁当が提供されたあと、バイクフォーラムが開催され、本田技術研究所のデザイナーとして、モンキーを始めとするレジャーモデルの開発を手掛けてこられた、小泉一郎氏によるトークショーが行われた。小泉氏のトークはユニークで興味深く、30年以上も前になる、モトコンポの開発にまつわるタンク構造の苦労や、本田宗一郎氏のバイクの車体色に対するこだわりなどの、貴重なお話が披露され、マニアックな参加者も聞き入っているのが見られた。
そしてお楽しみのモンキーコンテストは、遠距離賞、シニア賞、レディス賞、MC賞などの特別賞のほか、総合6位からが入賞となり、豪華な賞品が配られる。今回は、1位の参加者がすでに帰宅してしまい、2位の2名の方々が表彰式のトップを飾った。マニアックなオリジナルペイントしたマシン全体を見てほしいというのは早坂さん、そして12Vシャリイで参加の鶴巻さんはワンオフのパーツでカスタマイズして、一見ノーマルに見えるところを楽しんでほしいと、受賞の喜びを語られていた。
すでに来年に向けてカスタマイズの準備を始めている参加者もいるほどで、次回のモンキーミーティングも大いに盛り上がりそうである。そこには原付、原二の垣根のないミニバイクの自由な楽しみ方が垣間見られた。
(布施 和宏)