Honda新型レジェンドに見る、凛とした静かなる挑戦 

 

IMG_4963 のコピー去る11月10日、新型レジェンドが発表された。熱心なHondaファンでも、フラッグシップセダンのレジェンドの記事はスキップしてしまうという方々が少なからず存在するとか。それはハイパワーでなく高級車というキーワードを拒絶してしまうユーザーなのかもしれない。

しかし良く考えれば、Hondaがふつうの高級セダンを作るはずがない。初代レジェンドのデビューは1985年だから、当然 当時の本田宗一郎氏の乗られるクルマであった。その時の開発担当者は相当しのぎを削ったはずだ。そのチャレンジ精神のDNAはネーミングと同様に脈々と受け継がれている。その5代目にあたるのがこの新型レジェンドである。

サイズは全長4995mm全 幅1890mm全高1480mm 車重1980kg。メ ルセデスEクラスやBMW5シリーズを超える大きな体躯だ。そこに世界に類をみない3モーターハイブリッドのシステム出力はV型6気筒3.5L直噴i-VTECエンジン と合わせて281kw(382PS)であり、先の2車とハイブリッド車としての比較をすればかなりのハイパフォーマンスぶりだ。

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SPORT HYBRID SH-AWDと呼ぶトルクベクトリングは、後輪の2つのモーターの駆動力の差分で積極的にコーナリングに介入することに加え、 減速時のマイナスのトルクや旋回中期には、外側後輪をプラスのトルク、内側後輪をマイナスのトルクによってヨーモーメント発生させるなど多彩な姿勢制御を行うものである。

さらにフロントの7速DCTに組み込まれたモーターとあわせて前輪と後輪でも駆動力 配分を調節し回生も担当する。これを4モーターへ進化させた形式のものが次期NSXに搭載予定とされているものだ。

歴代のレジェンドは高級セダンとしての利用の中で、積極的にエンジンを回してドライブを楽しむオーナードライバーも多かったと聞く。様々な事情により環境に溶け込む必要がある日本の高級車市場において、その中でもプレミアムとは何かを極めて日本的にアプローチしたエクステリアやインテリアと装備は、日本のおもてなしの心の表現を求めた結果とも見える。今回ハイエンドオーディオの米国KRELLサウンドも搭載しているのだから。

それでもエキサイティングな走りや技術に、妥協を見せない、静かな高級車としての外観にHondaらしさをこめた1台だと思う。

数々のテクニカルハイライトの中に安全運転支援システム「Honda SENSING」もある。自動車各メーカーでいくつかの方法があるが、今回はミリ波レーダーと単 眼カメラの組み合わせを選択し、特に歩行者の検知精度を高めたものである。これによってこれまでの車線維持支援、誤発進抑制システムに加 えて、先行車発信お知らせ、標識認識、渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール、路外逸脱抑制、衝突軽減ブレーキ、そして世界初 歩行者事故低減ステアリングシステムが追加された。これは車線を逸脱して歩行者に接触すると予測された場合、警告またはブレーキだけでなく、ステアリングを回避方向へ制御するものである。Hondaはこれらの制御シス テムを独自に開発してようやく市場に投入してきた。

ハイブリッド高級セダンでもリニアなハンドリング、クルマとの一体感を味わえるHondaの旗艦、新型レジェンドは 2015年1月22日国内発売。その走りに期待が高まる。
(布施 和宏)

製品詳細はhttp://www.honda.co.jp/LEGEND/

 

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